ROLLING MARKET – Anonym Gallery

ローリング市場とは何なのか、ここでうまく説明するべきとは思うのですが、実はやっていても分からなくて、というか、やればやるほど分からなくなっています。

ときにコンセプチュアルなアート活動といったり、古物屋やリサイクルショップであるといってみたりしてきましたが、他の何かでもあるかもしれません。

©川崎恵李

ローリング市場とは何なのか、その答えが知りたくて、ローリング加盟店の店主たちが日々の気づきや考えをローリング市場のInstagramに投稿しています。

©川崎恵李

＜ローリングお取扱店＞

mountain bookcase

かるみれんげ

アノニム・ギャラリー

「Rolling Essay 24 ふたしかなふたしかな

「Rolling Essay 24 ふたしかなふたしかない/アノニム・ギャラリー」

先週述べたカップとソーサーのように、ふたと本体(ふたのない壺みたいなもの)がばらばらにローリングされてくることがある。ふただけ、あるいはふたのない本体だけ。それでもローリングしようとするところにはきっと何か意図があるのではないかと思ってしまう。
そうして、ふたはふたとしてローリング市場に置かれるけれども、それはもうふたであってもなくてもよくて、奇跡的に何かの壺とシンデレラフィットするとか、まったく別のシステムに組み込むとかいった、自分では思いつきもしない発想によって生かされるかもしれないという感性と思考の余白みたいなものを残して置かれている。

「Rolling Objects 16 稲妻カップ&ソーサー

「Rolling Objects 16 稲妻カップ&ソーサー/アノニムギャラリー」

現在ローリング市場ではソーサーが充実しています。
カップ&ソーサーのソーサーの方のみが日々ローリングされてくるので、「はぐれソーサー」と名付け、どんどんと高く積み上げられてゆくのをなす術なく"ままに"しています。カップは傷つきやすく、ソーサーは丈夫ということでしょうか。単に動作回数によるものでしょうか。

先週こんなことがありました。
木曜日、ありがたいことにコトバヤの高橋さんが壊れたローリング品を処分する手伝いにきてくれました。高橋さんはコトバヤローリングで壊れたものを段ボールに持参してきていて、そのなかには随分前にコトバヤに持っていっていた稲光のような取っ手のカップ&ソーサーがありました。
ソーサーはパッキリ割れていたものの、カップは完品で割れもなく処分箱に入れられていたのをあざとく見つけた私は、箱から取り出して「カップの方は絶対数が少ないから」という理由でソーサーがないにも関わらず再度店頭に並べることにしました。さらにそのカップを意味もなく「稲妻カップ」と名付けてみました。
翌々日の土曜日、ふだんまったく開けることのない箱を久しぶりに整理していたときのこと。ローリングのかごや布をひっぱり出しているなかに1枚だけ食器が混じっています。むむむ！そうです。稲妻カップのソーサーの方でした。はからずも若干3日のうちに新たなカップ&ソーサーを誕生させてしまいました。ローリング市場ではこういうことが時折起こります。

稲妻カップ&ソーサー100円です。

「Rolling Essay 23 加盟店店主が3人いる日/アノニムギャラリー」

6月10日(金)はアノニムギャラリーにPOLKUの古道具とコトバヤカフェがやってきます☕️

ローリング加盟店でお世話になっているPOLKUさんが活動の拠点を京都へ移されることになり、その"はなむけ"としてアノニムに一日POLKUの古道具を並べ、さらにコトバヤさんにカフェ出店していただくという、はなむけているんだかはなむけられているんだかよくわからない贅沢企画を開催できることになりました○

輿石さんの絵とPOLKUさんの古道具との融合空間、さらに高橋さんのコーヒーとスイーツの合わせ技はこの日限りのお楽しみです。

ちなみに、コトバヤ高橋さんとPOLKU大平さんは、ローリングの大物を運搬するために幾度となく上田から来てくれて力を貸してくれるマイメンでして、心からリスペクトと感謝を感じています。

古道具とカフェの日
6/10(金)　12:00-17:00
at アノニムギャラリー

「Rolling Objects 15 レコード/アノニム・

「Rolling Objects 15 レコード/アノニム・ギャラリー」

富士見のレコード屋「切り株」兼フリースペース「埋め草」さんにローリング市場のレコードコーナーができました👏👏👏
4～500枚はあるんでないかと思います。アノニムではできなかった何らかのケアも少しずつしてくれるそうで、しかも価格はアノニムで売っている時と同じ一枚100円です。

埋め草さんは元薬局を改装した広い二階建ての建物で、mountain bookcaseさんの道路はさんで斜め向かいにあります。
セルフリノベのかっこよい空間で試聴できたりお茶も飲めたりしますので、長時間滞在覚悟でディグディグローリングしてくださいませ○
@umekusa.fujimi @fujimikirikabu

[Rolling Essay 22　ローリングで出会う兄

[Rolling Essay 22　ローリングで出会う兄弟姉妹たち/アノニム・ギャラリー]

別々のところからローリングされてきたのに、まったくもってそっくりなものがある。感覚的に、これは相同を同じくしていると察せられる。同じような年代に、同じような土地で、同じようなやり方や目的でつくられたものだろう、と。
奇しくもローリング市場で再会を果たし、ともに並べられる兄弟姉妹たち。そんな楽しい奇跡が表すのは、どちらも「手放す対象となった」こと。物としての1 roundは終了し、現在ローリング市場で2 roundめにチャレンジしている。処分されなくて良かったね、という日が来るまでがんばれー！と思う。(リングにタオルを投げ入れる日が来るかもしれないけれど。。)

ほかにも、相同性までは感じないが、まあまあ似ているレベルの"いとこ"や"はとこ"は無限にある。青白や白の食器系、麦茶が似合いそうな丸い金縁のグラス、干支のつま楊枝いれ、(仏花用の)金属の焦げ茶のかびんなど。それらを照準にいれれば、壮大なローリング家系図が描けそう。

ローリング市場をながめると、なにげに現代日本の写し鏡みたいに、わたしたちの世界が見えてくる。(行きつけの歯科医院でラッセンの絵が飾られているのをながめるときのような)価値の変動にまつわる社会学的あるいは民族学的示唆が随所にちりばめられている。

［Rolling Essay 21 愛と狂気/カルパ］誰

［Rolling Essay 21 愛と狂気/カルパ］

誰かにとっての不用品も、他の誰かの役に立つ物になる。
そのような物の動きが好きで、ローリング市場と出会う以前にも、仲間たちと物々交換所をイベントとしてやってみたり、以前働いていた職場の店先にはまだ使えそうな不用品を箱に入れておいて、気に入ったものがあった人はそこから無料で持ち帰れるフリーボックスという仕組みがあったり、楽しみながらそれらを生活に役立てていた。
両方とも余計なゴミを出さないエコロジーな取り組みだなと感じたり、お金を使わずに気に入ったものを手に入れられることで貨幣経済への反抗をしているつもりにもなっていた。何よりお金がなかったぼくは当時フリーボックスにはずいぶんと生活に潤いを与えてもらった。今でもあなたがフリーボックスに入れた5ポケットパンツを直しつつ履いているよ、峯村くん。

その後、アノニムギャラリーの近くに引っ越してきてローリング市場と出会ったときに、「あー、物々交換所とかフリーボックスみたいなものね」と思ったのだが、すぐに大きな違いに気が付くことになる。
それは「全ての商品に値段が付いている」ということだ。
どの商品もいわゆる低価格で、その値札を貼る労働力に対価を求めたらそれはそれは、というものだろう。ごみギリギリの線の商品（失礼）にさえ、「10円」だったりが貼ってあるのだ。そこに何かの違和感だったり居心地の悪さだったり、心が動いた瞬間があったことを覚えている。
これはエコロジーでも貨幣経済への反抗でもない、この感情の動きはあえて口にするのはやめておくが、つまりそういうことなんだろう。

どんな品物にも、ひとつひとつここにいる価値を与え、黙々と値札を貼るローリング市場運営者の姿に愛と狂気を感じた。

［Rolling Objects 14 箸置き/mountain bookcase]

［Rolling Objects 14 箸置き/mountain bookcase]

ありそうでなかなかない魚の形の箸置きです。
箸置きというのは食事だとあまり使いませんが、それが酒の肴だったりするととても重宝します。
早速いくつか売れてゆきました。

おひとつ100円。

#Repost @anonymgallery with @make_repost
・・・
ローリング　魚の箸置き

［Rolling Objects 13 素焼きの鉢/コトバヤ

［Rolling Objects 13 素焼きの鉢/コトバヤ］

植え替えや挿木がたのしい季節になりました。そんな今にぴったりの素焼き鉢、ここにございます。コトバヤにて販売中です〜🌿

🌳鉢をお買い上げの際、コトバヤの名前のわからない挿木のできる植物たちほしい方差し上げます🌳

[Rolling Objects12　ゆりかごから墓まで/アノニム・ギャラリー]

アノニム・ギャラリーでは、5月を「ローリング強化月間」と勝手に位置づけ、ローリング市場を店内全面展開中です。「ゆりかご」から「お墓」(これはローリング品ではないけど‥)まで、あなたの人生のさまざまな局面に寄り添いうる、なくても困らないけどあったら楽しいかもしれない、あれやこれやを売りに売っています。例えば、

写真1～3　ゆりかご。藁の部分に一部やぶれがありますが、本体の木部はしっかり安定しています。マット部分もきれいです。1000円。

写真5、6　ご家族、ご兄弟の時間割が一目瞭然に確認できる、無視できない存在感の時間割表。1000円。

写真7　テクスチャーがすでに芸術的な鉄扉5000円。

さらには、台湾製の螺鈿のテーブルや、押し入れにぴったりはまるオーダーメイドの衣装箪笥、木製のきゃらきゃら鳴る暖簾、家具、食器など、大物小物出していますので、ローリングを強化しているこの5月にぜひどうぞ。

［Rolling Objects 11 はたき/ mountain bookcase

［Rolling Objects 11 はたき/ mountain bookcase］

アフリカのものなのかアジアのものなのか、実用的でないのか、意外と実用的なのか、あらゆる境目が不明のはたき。1000円。

羽はたきのついた頭の部分は胴体と別になっていて、はたきとして使ったらペン立てのように刺して飾って置ける仕様です。

棚にちょこっと置いただけなのに、民族学博物館風味になるインパクト。

[Rolling Essay20　伊那から来たローリング/アノニム・ギャラリー]

ローリング市場伊那店の赤石商店さんでは、ローリング品の販売だけでなく、受け入れもされています。先日、赤石商店さんから大量のローリング品がアノニム・ギャラリーへやってきました。伊那から来たものを見ると、不思議と、ローリング品の地域性のようなものを感じます。伊那だからなのか、赤石商店さんだからなのか、ローリング品に若さを感じます。ニューファミリー感を感じます。年若い家族の風景が目に浮かびます。

なにぶん、戻ってきたものも含め軽トラ2往復分もの品々が来たので、まだ全貌を把握できていないのですが。。

ローリング品を満載した軽トラがあっちへ行ったりこっちへ行ったり。その光景はおかしみがあって、私はそれを見るたび、どうしても笑ってしまいます。

［Rolling Objects 10 圧力鍋/カルパ］

「あ、この鍋わたしも使ってる」

お店にいらした方が偶然、ローリング市場に並べていた圧力鍋を持っていたようです。

「これシンプルで使いやすいですよ、必要充分。見た感じきれいだし、、、いいなぁ。おすすめです。」

たしかにシンプルで使いやすそう。
値段を伝える時に少し気が引けた、圧力鍋300円也。
使ってる人のお墨付き💮

[Rolling Essay19　本の中に見つけたローリング/アノニム・ギャラリー]

「藤原　こういう世界はみんな見えているんです。気がつかないんです。人は成長するにしたがって自分が必要としているものしか見えないようになってしまいます。子どもと逆ですね。さらに会社的な役割の中で縛られて生きている人は、自分の社会的役割と無関係のものは見えなくなってしまっているんですね。しかし、ごく日常にある何でもない世界というのが僕らを支えてきているわけで、それが美しく見えるということがまっとうに生きていることだと思うんです。」
(石牟礼道子/藤原新也『なみだふるはな』河出文庫、2020)

［Rolling Objects 9 木彫りの熊/コトバヤ］

ローリングでもおなじみ、木彫りのくまさんです。
こちらはすこし小ぶりで竹の敷き物の上に立っています。
一頭いるなと思ったら、いつのまにかもう一頭ふえ、一頭もらわれていったと思ったら、次なる一頭がきて、、めぐる木彫りの熊体験。
こちら現在コトバヤにて販売中です🐻

[Rolling Objects 8　ローリング品の活用例フラスコ/アノニム・ギャラリー]

ローリング市場にあったサイフォンコーヒーのフラスコ、使用感があったために花器としてお店で使おうと植物を活けて飾ってみたら、即日で売れました。

［Rolling Objects 7 金色のミニフィギュア/コトバヤ］

いったいこの人は誰で、いつからここにあるのか、、ものの把握をほとんどできない、それもまたローリングのちょっと怖くて面白いところです。

この人がいったいだれなのか教えてくれた方には、なななんと半額にて提供させていただきます〜👏👏

金色のミニフィギュア100円→誰なのか教えてくれたら50円！（コトバヤ店頭でのみ対応となります）

[Rolling Essay 18　やっちょさん=ミッキーマウス論/アノニム・ギャラリー]

ミッキーマウスは同時に二匹は存在しないという設定になっているらしい。つまり、今、自分の前にミッキーマウスがいたとすれば、自分の前以外の世界のどこにもミッキーマウスは存在しない。

実在する人間で、この「ミッキーマウス感」を感じさせてくれる人物がいて、それは下諏訪の古道具屋ninjinsanの店主・やっちょさんである。やっちょさんが目の前にいると、世界の他の場所にはやっちょさんはいなくて、今自分の前だけにいるんだという、当たり前だけど、ちょっと特別な感覚を呼び覚まされる。それはきっと、やっちょさんが全国あちこち飛び回っていて、とても忙しそうだという認識と、会うたびにめっちゃ楽しいという認識と、いつも素敵なローリング品を大量にくださるというサンタクロースのようなファンタジー的存在感の芳香によるものと思われる。

まあしかし、思えば、人は皆、一人しか存在していなくて、目の前にいる人はここ以外の他の場所には存在しないのだった。

そんな当たり前の奇跡を改めて意識にのぼらせてくれる、リアルミッキーマウスこと、やっちょさんから、昨日、船やらかごやら金魚鉢なんかがいろいろとローリングされてきました。

［Rolling Objects 6 山のピンバッジ/mountai

［Rolling Objects 6 山のピンバッジ/mountain bookcase］

八ヶ岳開山祭に参加した人だけが入手できるピンバッジがたくさん入荷し、順調にローリングされています。
絵柄は高山植物。

昨日お買い上げいただいたお客様も、山のピンバッジはたくさん持ってるのに、ついつい買いたくなってしまうとおっしゃっていました。

1個　¥100(税込)
まだまだたくさんあります。

[Rolling Essay 17　カルパさんのイラスト

[Rolling Essay 17　カルパさんのイラスト(2)/アノニム・ギャラリー]

カルパ画伯のローリング集金袋イラスト集の続編(作品番号5～8)です。今回もアノニムギャラリーのロゴから派生した、もはやオリジナルのかわいいキャラクターに仕上がっています。

［Rolling Essay 16/ドイツ・ローリング事

［Rolling Essay 16/ドイツ・ローリング事情/mountain bookcase］

昨年ドイツに移住した友人がドイツの古書店や蚤の市のスナップをストーリーにあげているのがおもしろくてちょこちょこ見させてもらっている。

その中に先日「ご自由にお持ちくださいコーナー」の写真があったので、友人に許可をもらって紹介させていただくことにした。

ドイツでもだいぶ前から行政や市民団体が不用品を集めて販売するシステムはあったけれど、こうして路上にご自由にお持ちくださいコーナーができるようになったのはこの10年くらいのあいだのことではないだろうか。
たしかベルリン在住の香山哲さんのコミック「ベルリンうわの空」でも、ベルリンのご自由にお持ちくださいコーナーが紹介されていたように思う。

そしてここは人口11000人ほどのバイエルン州・ローテンブルク。屋根もない路上の一角のこのコーナーは友人曰く、結構回転が速いらしく雨晒しで傷む前にはローリングされているらしい。(とはいえ、個人的にはやっぱり屋根はほしいけれど。笑)

置かれているのは日用品、書籍、衣類などさまざま。なかなか掘り出し物もあるらしく、行くのが楽しみになりそうである。

それぞれのモノたちの前にもあとにも、人の暮らしが繋がっていて、それを想像するだけでも物語が浮かんできておもしろい。
ドイツ・ローリング事情でした。

さらに読み込む Instagram でフォロー